犬と猫の輸血

犬と猫の輸血

犬猫でも、様々な原因による貧血、救急処置として、手術で大量出血が予測される場合、薬剤の治療効果が出るまでの手段として、輸血を行う事があります。
しかし犬猫では人のような血液バンクはありません。薬のように製薬会社から買うこともできません。では輸血が必要になった場合、どうやって血液を手に入れるのでしょうか?
輸血が必要になった場合、何らかの方法で供血動物(ドナー)を探します。動物病院で飼育している動物がいればその動物(院内ドナー)の血液を使用する事があります。他には、一般家庭で飼育されている動物に供血ボランティアとして登録してもらい(院外ドナー)、その血液を分けてもらい輸血治療を行っています。それでも輸血治療に十分な血液を確保している動物病院は非常に少なく、血液が無いために治療できない場合もあります。

<一般的なドナーの条件>・・・施設により多少の違いがあります

  • 年齢:1〜8歳程度
  • 体重:大型犬(25kg以上)が望ましい
  • 過去に輸血を受けた事がない
  • 前回の供血から3ヶ月以上経過している
  • フィラリア感染がない
  • 狂犬病予防注射、混合ワクチンを接種している
  • 妊娠していない
  • 一般的な健康状態に問題がない
  • 無麻酔で頸静脈から採血可能

猫の場合、様々な要因により(徹底した感染症予防が難しい、無麻酔での頸静脈採血が難しいなど)、院外でドナーを探すのは難しいと思われます。その為、実際は院内ドナーや患者の同居猫から血液を分けてもらう事が多いです。

血液は人工的に作る事ができません。献血に賛同してもらえる飼い主さんと動物の助けが必要です。もし供血ボランティアにご興味があれば、お近くの動物病院にお問い合わせください。ボランティアの登録が増えることで、輸血を必要とする動物の治療の幅が広がることと思います。

カテゴリー: 犬と猫の病気用語集 パーマリンク