歯周病-犬と猫の病気用語集

歯周病

犬や猫の口腔疾患で最も多いのは歯周病です。2歳以上の犬や猫の80~95%が、歯周病をもっていると言われています。単に「歯周病」といっても下記に示すように重症度によってその予後は異なります。

  1. 軽度の歯肉炎:歯肉の炎症で、治療すれば治る状態
  2. 重度の歯周炎:歯肉以外にも炎症が広がり、治療で症状は回復するが歯周組織を元に戻す事が出来ない状態

歯周病の大きな原因は歯垢と呼ばれる、表面に付着している粘着性の物質です。歯垢は歯ブラシやガーゼで軽くこすることで取り除くことができます。しかし歯垢は3~5日程度で歯石に変わり、この段階では歯ブラシやガーゼでこすっても取り除くことは出来ません。歯石はスケーリングでしか除去する事が出来ないのです。歯周炎になると、口臭やよだれなどが目立つようになり、歯ぐきは赤くはれ、出血しやすくなります。また、硬いものを食べたがらくなったり、口を触られるのを嫌がるようになるかもしれません。治療は歯垢や歯石を除去し、歯周病の進行を抑える事です。予防として付着した歯石を定期的に除去することも大切ですが、常日頃から原因となる歯垢の付着を防ぐ事が一番大切です。つまり、自宅でのオーラルケアが何より重要ということです。以下に、ご家庭でもできるオーラルケアの方法をご説明します。

自宅でのオーラルケア

用意するもの

  • 手を清潔にし、爪を短く切りましょう(動物の口を傷つけないため)
  • ペット用歯みがきペースト(人の歯磨き粉は使わないでください)
  • 水道水
  • 根気(一番大切!)

方法
それぞれ5分程度続け、ワンちゃんネコちゃんのペースに合わせて次の段階に進んでください。攻撃的な性格や咬み癖のある動物にはお勧めしません。

  1. ワンちゃん・ネコちゃんの口周りを触る練習:歯みがきペーストを指に少量とり、舐めさせる練習もしてみてください。
  2. ワンちゃん・ネコちゃんの口の中を触る練習:ゆっくり人差し指を歯と歯茎の外側に沿って滑らせてみて下さい。
  3. ガーゼを使って犬歯を軽く磨く練習
  4. ガーゼを使って臼歯(奥歯)や切歯(前歯)を磨く練習
  5. 歯ブラシを使って犬歯を軽く磨く練習
  6. 歯ブラシを使って臼歯(奥歯)や切歯(前歯)を磨く練習

*歯磨きを毎日行うことによって予防効果を高める事が出来ます。
*歯磨きに加えて歯垢の付着を防ぐデンタルガムやペットフードを補助的に使用する事もお勧めします。(他の病気で現在治療中の場合は、動物病院で相談してから始めましょう。)

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