偽妊娠(想像妊娠)-犬と猫の病気用語集

偽妊娠(想像妊娠)

妊娠していない雌犬(ごくまれに雌猫)に認められ、乳腺の腫大や乳汁分泌および巣作り行動などを特徴とする、様々な程度の母性行動を偽妊娠といいます。これは発情後の黄体期(612週以降)に産生されるホルモンにより引き起こされるもので、症状(乳腺の軽度腫大、透明な乳汁分泌)は軽度の場合が多いですが、妊娠犬と同じ徴候(乳腺の著しい腫大、白色乳汁の分泌、巣作り行動、怒りっぽい、食欲低下など)を示す場合もあります。通常、症状は2〜3週間で自然に消失しますが、乳汁分泌量が多く、乳腺に熱感や痛みを伴う場合は薬物投与による治療が必要な場合もあります。また、犬が自分で乳房を舐めたり、おもちゃを自分の子供のように育てる行動は、症状を長引かせるため、エリザベスカラーをつけたり、おもちゃを取り上げるなどが必要です。偽妊娠を発症した犬は、発情ごとに同様の症状を繰り返す事が多いため、とくに子供を産ませる予定が無いのであれば、予防として外科的な避妊手術が有効であると考えられます。

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